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森に眠る魚 / 角田 光代 著
森に眠る魚 / 角田 光代 著_a0020009_12505343.jpg子どもの幼稚園入園をきっかけに知り合う5人の女(母親)たちの深い深い闇。
実際に、かつて文教地区と呼ばれる地域で起こった、母親が自分の子どもの同級生を殺害した事件をもとに書かれた小説らしい。
子どもの小学校受験を軸に「いいママ友達」だと思っていた関係がゆっくりと崩れていく。

こんな話どこかにありそうだしこんな女たちはどこにでもいそうだ。
と客観的に眺めながら最初は読むだろう。
そしていつしかきっとすべての女性がこの登場人物の誰かのどこかに、見覚えのある小さな染みのような闇を自分の中に見つけるだろう。
これから子育てをする母親たちはもちろん、わたしは普段子育てを女に任せっきりな父親たちが読んでみるべきだと思う。
果たして「女って怖いなー」で片付けられるのだろうか。

子育てだけにとどまらず、すべての場合において、自分を客観的に眺められる余裕は必要だと常々思う。
そのために、いつでも自分をクールダウンさせれる賢さを身に着けておくべきだと思う。
言い換えれば、それは自分をコントロールする力。
そのために必要な流されない強さ。
それを得るために必要な自分に対する自信。
そしていちばん大切なのは人と自分を比べないことだ。
実際、幸福も不幸も他の何かと比較した結果得られることが多い。
他人とだけじゃない。過去の自分と今の自分を比べたりすることもひとは大好きだ。
価値はいつもそうして生み出されていく、そのしくみを知っておくべきだ。
普段は忘れていてもいつでも思い出せるようにしておくべきだ。

どんなに取り繕っても、突然露呈された自分自身の弱さにうろたえることなく冷静に立ち向かっていける強さは、誰かからの慰めやフォローではなく結局は自分自身で培ってきた信念や自信だということを思い知らされるだろう。
逃げ道なんてどこにもないのである。
by yucco_mini | 2010-06-01 13:33 | books
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