wandering landscape
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カテゴリ:books( 65 )
森に眠る魚 / 角田 光代 著
a0020009_12505343.jpg子どもの幼稚園入園をきっかけに知り合う5人の女(母親)たちの深い深い闇。
実際に、かつて文教地区と呼ばれる地域で起こった、母親が自分の子どもの同級生を殺害した事件をもとに書かれた小説らしい。
子どもの小学校受験を軸に「いいママ友達」だと思っていた関係がゆっくりと崩れていく。

こんな話どこかにありそうだしこんな女たちはどこにでもいそうだ。
と客観的に眺めながら最初は読むだろう。
そしていつしかきっとすべての女性がこの登場人物の誰かのどこかに、見覚えのある小さな染みのような闇を自分の中に見つけるだろう。
これから子育てをする母親たちはもちろん、わたしは普段子育てを女に任せっきりな父親たちが読んでみるべきだと思う。
果たして「女って怖いなー」で片付けられるのだろうか。

子育てだけにとどまらず、すべての場合において、自分を客観的に眺められる余裕は必要だと常々思う。
そのために、いつでも自分をクールダウンさせれる賢さを身に着けておくべきだと思う。
言い換えれば、それは自分をコントロールする力。
そのために必要な流されない強さ。
それを得るために必要な自分に対する自信。
そしていちばん大切なのは人と自分を比べないことだ。
実際、幸福も不幸も他の何かと比較した結果得られることが多い。
他人とだけじゃない。過去の自分と今の自分を比べたりすることもひとは大好きだ。
価値はいつもそうして生み出されていく、そのしくみを知っておくべきだ。
普段は忘れていてもいつでも思い出せるようにしておくべきだ。

どんなに取り繕っても、突然露呈された自分自身の弱さにうろたえることなく冷静に立ち向かっていける強さは、誰かからの慰めやフォローではなく結局は自分自身で培ってきた信念や自信だということを思い知らされるだろう。
逃げ道なんてどこにもないのである。
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by yucco_mini | 2010-06-01 13:33 | books
夢をかなえるゾウ / 水野敬也 著
a0020009_13332388.jpg新しいタイプの自己啓発本。
ガネーシャというインドの神様が突然ヘタレサラリーマンの前に現れ、彼の人生を成功に導くという体で彼にいろんなことを実践させる話。
これ、少し前に深夜枠で放送されてたドラマを見ていたので、どうもガネーシャの発言がすべて頭の中で古田新太(ガネーシャ役)で再現される・・・
というか、古田新太以外のガネーシャがむしろ思い浮かばない。

とりあえず、ガネーシャの課題が誰でも実践できそうなことばかりなのが楽しい。
意外と無意識のうちに実践してしまっている項目があったりもする。
自分の哲学と重なる部分を見つける目的で読むのも楽しいかもね。
自分の「無意識」を的確に顕されている言葉や文章で発見するのってなんか気持ちいい。
娯楽としてコント読んでるみたいにも楽しめる本。(ガネーシャはなぜかこてこての大阪弁)

わたしは、「図書館でとにかく目についた本を素直に読む」を実践しています(そんな課題ないけどな)
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by yucco_mini | 2010-05-21 13:52 | books
食堂かたつむり / 小川 糸 著
a0020009_22421410.jpg娘が図書館で借りてた本が返却期限切れになってたので急いで返しに行って何気なく見つけた本。

恋人の裏切りで財産と声を失った女の子が「料理を作ること」で他人に幸福を分け与えながら自分の幸福をみつけていくお話。

彼女にとって、料理をすることはもはや「神聖な行い」と言っても過言ではないくらい重要かつ恍惚的なできごとである。
そのときの意識のきめ細やかさときたらもうありえないくらい・・・ファンタジックすぎる。

わたしも一応食堂を営んでいた人の孫なので、出来あいのものを買ったりインスタントなものを利用することは少なく、料理することがとても身近である。
が、しかし料理が好きかと言えばべつにそうでもないし、下手ではないけど特別に上手なわけでもないと思う。
もう、それは日常すぎて。寝たり起きたりするのと一緒・・・的な。
で少し反省しました。
毎日自分の作るものを食べる子供もいることだし、もう少し愛を持って料理というものに取り組もうと。

このお話で一番好きな箇所は、かわいがっていたペットの豚を食べちゃうところ。
ちょっと残酷だけど正しいことであると思う。
そしてこの物語が壮大なファンタジーになるために最も必要なくだりだと思う。

ここで引き合いに出すのにふさわしい例えであるかどうかは分からないが、
わたしは釣りにおけるキャッチ&リリースのような考え方の意味が分からない。
キャッチしたらおいしく食べたれや!と・・・食べないならキャッチすんなボケ!(口悪っ)と・・・。
まぁ、増えすぎて生態系を壊す外来異種の魚を駆除するための釣りは別として。

母娘の関係をもっともっと深く描けばファンタジーではなくまた違ったお話になるんだろう。
という意味では少し中途半端な物語かもしれない。
最後、お母さんに声を聞かせてあげて欲しかった・・・というのは個人的な意見。
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by yucco_mini | 2010-05-16 23:31 | books
SPIKE JONZE
a0020009_17101175.jpg

娘は幼稚園から帰ってきたらまず手洗いうがいをし、着替えておやつを食べる。
近頃のおやつタイムのBGMは「かいじゅうたちのいるところ」のサントラである。
娘から「かけて」と言う。かなり気に入ってる様子。
わたしはスケボーやBMXにはまったく興味なかったけど、昔からスパイク・ジョーンズ(とマーク・ゴンザレス)が妙に気になって仕方がなかった。
実際、年齢も近いしええオトコやし(ルックスか!)
ビースティ・ボーイズやウィーザー、ビョークやダイナソーJr、ソニック・ユース、ケミカル・ブラザーズ、エラスティカ、そうそう極めつけはあの有名なファットボーイ・スリムの「Praise You」。
彼の手がけるたくさんのミュージックビデオをMTVで観て来たからにちがいない。
で、いきなりソフィア(コッポラ)と結婚したし!(もう離婚したけど)

「かいじゅうたち~」も日に日に愛おしさが増す映画である。
サントラはびっくりするぐらい良い!大好き。

でEYESCREAMの3月号も買ってしまいました。この雑誌高いからほんとイヤ。
SPIKE JONZE issueです。DVD付いてます。
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by yucco_mini | 2010-02-26 17:21 | books
「 八日目の蝉 」 / 角田光代 (著)  
a0020009_233391.jpgわたしは不倫をしたことがない。残念ながら。
でもかつてわたしの近くには不倫をしている親しい友人が何人かいた。
独身の彼女たちはそろって頭がよかったし、家庭を持つ相手の男の愚痴はほとんどこぼさなかった。
責任逃れをしようともしなかったけど、たぶん深く深く傷ついていたと思う。その感覚が麻痺して逆に笑い飛ばせるくらいに。

この物語は1ページ目からいきなり、不倫相手に裏切られ子供が産めなくなってしまった女が相手の男と妻の間にできた赤ん坊を誘拐する。
正体不明の老女の家、男に裏切られた女ばかりが集う宗教団体の施設、豊かな自然に恵まれた瀬戸内の小さな島。女は逃亡を重ねながら赤ん坊を育てる。
ついに捕らえられた女と"娘"の突然の別れ。「本当の家族」のもとに帰った娘の運命。

女とは愚かな生き物だろうか。感情的で弱くて向こう見ずで。馬鹿な生き物なのだろうか。

大事な選択を最後にするのは女だ。見せかけは男が選び取ってるようにみえても。
男女間において、弱い男はいつも最後の選択を、それが運命を左右するような大事なものであればあるほど、その選択を女に委ねる。

わたしの友人たちは、時間はかかったが最後はきちんと不倫を清算した。
どこからどう見ても愚かで弱いのは男だった。
申し訳ないくらいに、どう贔屓目にみてもかっこわるいのは男の方だった。


さて、 こんなに長々と書いたのに申し訳ないが、この小説の本題はたぶん不倫ではなくて子供と母親の関係である。
正直、切ない。
でも愛のある風景というのは絶対に消えない輝きがある。
どんなに時間がたっても瞬時に再生されるような強烈な鮮やかさがある。
本当に幸福な瞬間というのはどんな悲しい過去よりも強い力を持っている。

わたしは女は思い出だけでは生きられないと思っていた。
子供を産むまでは。
/ 「わたし、自分が持っていないものを数えて過ごすのはもういやなの」 /

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by yucco_mini | 2009-09-29 00:06 | books
安野モヨコ 著 (英訳:リチャード.バーガー)/ 「オチビサン 2巻」(2009)
a0020009_117013.jpg8月に2巻が出ていました。
毎年この時期に出ると思っていていいのかな。
ホント大好き「オチビサン」。全力でオススメします。
癒される。そして研ぎ澄まされる。
簡単だけど大事なこと。身近にある素敵なこと。
わたしはいつも手に届くところにおいている。
何気なく手にとっては適当にページを開けて一つ二つ読む。
そんな読み方がとてもしっくりくる。

朝日新聞で読んでる方もコミック本をぜひ。
英訳つきなのはもちろん、新聞ベースよりも色がきれい。
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by yucco_mini | 2009-09-06 01:26 | books
「 重力ピエロ 」 / 伊坂幸太郎 (著)  
a0020009_23532999.jpg母が暴行犯に襲われた時に身ごもった子が自分の弟であるというとてもヘビーな設定。
身近に起こる放火事件の謎を兄弟で追い続ける間はまるでゲームのよう。
そして、突然落とし穴のように現れる疑惑。
彼が自らの力で辿り着いたはずの"結末"は、実は運命のように弟が引き寄せていた"最終目的"であった。



どんどん映画化される伊坂作品。じつはこれも前から家にあった本。
伊坂作品を読むと文学的なものとエンターテイメントの境目がわからなくなる。
でもものすごく早く読めるのでとても娯楽性が高いと思う。
ただ、ところどころ気になって何度も読み返してはその奥にある意味を確かめようとしてしまう文章がいくつかある。

もう一冊あるので近々読んでみます。
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by yucco_mini | 2009-07-29 00:20 | books
「 木洩れ日に泳ぐ魚 」 / 恩田 陸 (著)  
a0020009_1338542.jpg別れることを決めた男女。引っ越し前夜の部屋のなかで、どうしてもこの夜の間に明らかにしなければいけない過去の出来事。
互いに隠し続けてきた疑念、思惑。
ふとしたきっかけで次々と現れる失っていた記憶。
思いがけなく浮かびあがる想定外の真実。

恩田さんの本を読むのも初めて。
装丁とタイトルに惹かれて手に取った。
ミステリー小説みたいに、なぞめいていてどきどきする。




/朝は - いや、太陽は何と偉大なのだろう。そして、なんと残酷なのだろう。その圧倒的な明るさにおいて、すべてを塗り替えてしまう。 
....そのことに僕は深く絶望していた。けれど、この絶望でさえ、朝が来ればもうどこにもなくなってしまうことを僕はよく知っていた。/

/朝が来る。
まぶたを閉じていても朝はすぐそこまで来ている。わたしたちの逡巡に、迷いに、決められない何かに引導を渡す。朝の光は時間切れの合図だ。/ 
(本文より)


夜は記憶を近くにたぐり寄せるのに最も適した時間なのかもしれない。
そして、朝は記憶を遠い過去にするための儀式のように訪れる。太陽とともに。

ああ、でも。なによりも。
過去は、記憶するひとのこころのなかで起こるさまざまな"取引"でこんなにも遠くなるのだ。
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by yucco_mini | 2009-06-18 14:11 | books
「 猫を抱いて象と泳ぐ 」 / 小川洋子 (著)  
a0020009_2255966.jpgあるトラウマから「大きくなること」を何よりも恐れる若き天才チェスプレイヤーの数奇な人生の軌跡。

盤下で身を潜めながら、頭上でチェスが置かれる音でその盤上を理解しゲームを進める奇妙なスタイル。
盤上の駒を動かすのは「リトル・アリョーヒン」と呼ばれるからくり人形である。
彼の棋譜を写しながら人形の手助けを担う少女との決して触れあうことのない愛。

すべてが小さく、謙虚に、もはや自分の存在を消しながら生きる彼のその慎ましやかな心情と誰もが心粋する美しいチェスの腕。
それらを表現する作者の文章が物語に沿うように簡潔できれい。

小川さんの作品を読むのは「博士の愛した数式」以来。
数学を知らなくてもあの作品が心に馴染んだように、チェスを知らなくてもしっくり馴染む。
でもねー、やっぱりチェスを知って読む方がきっと想像力が広がるスピードが違うと思う。
その深さも。

将棋にもよく言われるけど、自分の駒が進むべき道筋がはっきり現れるときって、深い海の底に潜ってどこからが光が差すような感覚らしい。(この物語の主人公はいつもその傍らに猫と象がいるのであるが)
あの感覚をもっと近くに、手の届く感じでその宇宙を頭の中に再現するには自分もそんな経験をしてみることだと読みながら何度も感じたのである。(無理だけどね)
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by yucco_mini | 2009-06-13 23:49 | books
「 ゴールデンスランバー 」 / 伊坂幸太郎 (著)  
a0020009_1191195.jpg伊坂さんの小説を読むのは初めて。
以前から家の本棚に(配偶者が買ってきたのが)チョロチョロあるなーとは思ってたけど。

無実の青年が首相暗殺の犯人として陰のものすごく大きな組織(のよう何か)からでっち上げられ、逃げ回るというストーリー。
こんな話あるのかな。でもすごくありそうなんだよね。

疑うことと信じること。
登場人物たちは、その間で気持ちがゆらゆらする。
彼が逃げのびるためには、すべてを疑う必要があり、しかしその中から信頼する何かを選び取る必要がある。
彼の逃亡を助けようとする人たちは彼を無実を信じ、その気持ちを揺るぎなく持続する必要がある。

幾度となく彼が思い出すのは
「人間の最大の武器は習慣と信頼だ」
という、彼を逃亡させて死んだ友人の言葉。

映画化するらしい。確かに映画向きな作品だと思う。
ハリウッドとかでドカーンと派手に作ったらヒットしそう。
勿論、主題歌はビートルズの「GOLDEN SLUMBERS」で。

「GOLDEN SLUMBERS」は小説の中ではレコードであったり、口ずさんだり、
歌い出しの部分が幾度か歌詞と共に登場する。
この本読んだら聴きたくなること必至。
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by yucco_mini | 2009-06-10 11:40 | books