wandering landscape
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「海のふた」 / よしもとばなな (著) (rockin'on /2004)
a0020009_2611.gifおおきくて、穏やかで、平坦で。
舞台となる海のような、おおらかさと、少し低い温度で。
ひとは誰もドラマを生きてるんじゃなく、身近に触れる物事のなかで、それらとのかかわりかたでドラマをつくる。
ちいさなちいさな冒険は、ほんとうはその人間のなかですごく大きくふくらむ可能性を持ち、しかもそれは本人の感受性と想像力が引き寄せるものだと強く感じる。
いつもは心の隅のほうで痛みのように存在する「思い」を、ふとした出会いの中で引っ張り出した主人公はすばらしいこころのドラマを生むのだ。
それは、すごくせつなくて、うつくしくて、あたたかくて、やさしい。

闇のように描かれる、お金を巡る人間の汚さはリアルで、そのぶん変わらすにそこにあるものたちの、その世界の素晴らしさが沁みてくる。
たいせつなものがほんとうにかけがえなく、疑う余地もなく目の前にあることを、あらためて知ることができる気がする。
余裕がないのは、時間じゃなく心の問題。
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by yucco_mini | 2004-07-11 02:03 | books
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