wandering landscape
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「最後の家族」 / 村上 龍(著)  
a0020009_04548.jpgなんだかとてもいい話だった。
物語の進行は角田光代さんの『空中庭園』と同じ。家族それぞれの視点で出来事が綴られていく。
物理的にはばらばらになっていくのだが。このばらばらはこの家族にとって、信頼と尊敬の、希望に満ちたまとまりのかたちである。
「自立すること」が人と人との関わりあいのなかで一番成熟したかたちなんだとあらためて感じさせられる。「家族」という密着した縁のあいだではことさら。
「人は人を救うことなんかできない」このフレーズは村上龍の作品に何度も登場する。
この強引でぼやけたフレーズがこの作品ではもっと具体的に展開される。
「他人を救いたいいう要求と支配したいという要求は実は同じ」
「親しい人の自立はその近くにいる人を救う。一人で生きていけるようになること、それだけが結果的に誰か親しい人を救う」
ひとつにまとまって暮らしていても、中身がこの家よりもばらばらな家族は世の中にあふれているだろう。
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by yucco_mini | 2006-05-16 00:04 | books
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