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「東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~ 」 / リリー・フランキー著
a0020009_291513.jpgかたちのないものについて考えるときの途方に暮れてしまう感じが、人は嫌いだ。
たとえば「愛」について考えるときに。
それを特別な何かとして、すごくロマンチック、または残酷に、そのイメージをつくり上げようとするのは何故だろう。
「特別なもの」に人は注目したがる。当然なことなのですが。
でも、もっと普遍的で、川が絶えず流れるような自然さで、あえて見ようとしない場所で、普通に存在するものは素晴らしい。

「母親の愛」。それについて考えることはタブーだ。
胸の痛い感じ、よくわからないせつなさ、もしかしたら泣いてしまうかも知れない。そんな事件が起こることは、今、自分がタフに生きるためには許されない。
でもそれは普通に存在して、そしてあまりにも普通すぎて、じつは自分に大きな安らぎをもたらしていることに、わたしは注意を向けない。

長い間、普通にあったものがなくなってしまうかもしれない、と考えるときの恐怖とそのショックによる瞬発力でこの物語は書かれている。
そして、その文章は素晴らしい。上手いとか下手の問題ではなく。
愛。気持ち。感性。そこに込められたいろんな「意味」。リリーさんの文章が好きだ。

すべての人はひとの子。きっといろんな場面に共感して泣くでしょう。
そして、世の中のほとんどすべての男子はマザコンなので(とわたしは思っている)、
マザコンをこれから堂々と語っていけるでしょう。
泣け泣け。みんな読んで泣け。

わたしは母親でもあるので。この本をこれからも大事に読んでいくだろうと思う。
育児をする者にとっては、いろんな意味で慰めでもあり勇気でもある。
オカンみたいにはなれないと思うけど。オカン・スピリッツは永遠です。
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by yucco_mini | 2005-10-13 02:05 | books
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