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先日、朝日新聞に哲学者、木田元さんのインタビューが載っていた。
「なんだかハイデガーの『存在と時間』を読めば生きる見当がつきそうな気がしてきた・・・(中略)あのころ、ひどい絶望感があったんだと思う。何かしたいんだけどできる状況じゃないし、“何がやりたい”と聞かれてもこれまたわからない。ドストエフスキーに出てくる青年達のように」 わたしもその人種だった。 父親に 「4年もおまえを大学に行かせるお金はこの家にはない」 といわれたのに、どうしても哲学科に入りたくてお願いしますと言って受験させてもらった。 なんだかよくわからないが。高校3年の時、わたしの探していることが、どうしても見つけたいことが、哲学の中にあるにちがいないと思ったのだ。 入学を果たしたときのあの幸せな気持ち。わたしはあの気持ちを一生忘れたくない。 入学すると、「哲学なんて本当はやりたくなかった」という人に何人か出会って、少しかわいそうだったし、わたしも悲しかった。モラトリアム期間を得るためにすごく高い学費を親に払わせている。 まぁ、わたしも結局すごく哲学に没頭したわけではなく、結局その端くれだ。どろどろの恋愛地獄に陥ったり、バンドばっかりして。 しかし学科の授業はほとんどサボらなかった。ゼミなんて楽しくて仕方なかった。 今それが何の役に立っているのかといわれれば答えられないが、後悔をしていないことは確かだ。 そして。あのときの、知的探求心と、その幸福感を忘れたくないなとしみじみと思う。 最近忘れてたのよね。 木田さんの、今もなお、楽しそうに哲学に向かう姿を記事で読んで、はっとしたのだ。
by yucco_mini
| 2004-10-26 23:02
| diary(日々の泡)
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